
結論から書きます。「自分の仕事はAIに奪われるのか」は、職種で考えているかぎり答えが出ません。置き換わるかどうかを決めているのは職種ではなく、その仕事に含まれる作業の型です。だから備え方も「AIに強い職業へ移る」ではなく、正解が一つに決まらない判断を含む収入を、自分の名義で一本持っておくことになります。
私は青山健(あおやまたけし)といいます。2012年から14年、アダルトアフィリエイトサイトの制作代行と自分の媒体運営を続けてきました。この記事では、AI失業の一般論ではなく、実際にAIへ渡した作業・渡せなかった作業と、置き換わりにくい収入をどう組んでいるかを、手元の実数つきで書きます。「AIが怖いから副業を始めましょう」で終わる話にはしません。
目次
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AIに置き換わるかどうかは、職種ではなく「作業の型」で決まる
私の仕事は「サイト制作・運営」という一語でまとめられますが、中身を分解すると10種類以上の作業が混ざっています。そしてAIが入ってきたとき、消えた作業と、まったく手が出なかった作業が、きれいに分かれました。
この記事の内容を、体系立てて読む- 供給が爆発した先に起きる同質化
- AIが構造を読む時代に効く受け皿の設計
- 今から始めて間に合うのか、の答え
※序章と各章の前半は、登録なしでそのまま読めます。全文はメール登録(無料)で。
置き換わりやすい作業には3つの共通点がある
- 入力が定型である(毎回同じ材料が同じ形で揃う)
- 正解が一つに決まる(出来の良し悪しを人が議論しなくていい)
- やり直しが安い(間違えても損失が数分で済む)
この3つが揃う作業は、私の手元ではほぼAIに移りました。逆に、どれか一つでも欠けている作業は、14年分の判断材料を持っている私が自分でやったほうが、いまだに速くて精度が高いです。
私が実際にAIへ渡した作業・渡せなかった作業
| 作業 | いまの扱い | 理由(14年運営の実感) |
|---|---|---|
| 記事の構成素案づくり | AIに渡した | 型が決まっていて、使えなければ捨てるだけで損失がない |
| 文章の整え・誤字チェック | AIに渡した | 正解がほぼ一つに決まる |
| リサーチの一次ふるい | AIに渡した | 最終判断を自分がやる前提なら、下調べの速度だけが効く |
| どのジャンルに時間を賭けるか | 自分に残った | 正解が一つに決まらず、外したときの損失が数か月単位 |
| どの案件・ASPを切るか | 自分に残った | 条件変更の履歴と、自分のサイトの数字を突き合わせないと判断できない |
| 読者が離脱した本当の理由の特定 | 自分に残った | 自分の媒体の実測値を持っている人しか検証できない |
| 18禁表記・年齢確認・素材の扱いの最終確認 | 自分に残った | 間違えたときの損失が大きく、やり直しが安くない |
この表を見て気づいてほしいのは、残ったのは「文章を書く能力」ではなく「決める能力」だったということです。AI失業の議論は「文章や絵がAIに書けるかどうか」に寄りがちですが、私の現場で価値が残ったのは、自分の媒体の数字を根拠に賭け先を決める部分でした。
自分の仕事を5分で棚卸しする手順
職種単位で不安になるとどうしようもないので、私は人に相談されたとき必ず作業単位に割ってもらっています。手順は単純です。
- 直近1週間にやった仕事を、15分単位の作業名で書き出す
- 各作業に、上の3条件(入力が定型/正解が一つ/やり直しが安い)が当てはまるかを○×で付ける
- ○が3つ揃った作業の合計時間を出す。それがいまの仕事のうち、置き換わる圧力が一番強い部分
- ×が混じった作業を見る。そこが残る部分であり、自分の持ち場
これをやると、「AIに全部奪われる」でも「自分は大丈夫」でもない、中間の実像が出てきます。私の場合も、作業時間の内訳で見れば相当な割合が○でした。それでも仕事が消えなかったのは、×の作業が収益の決定要因だったからです。
「AIに置き換わりにくい収入」を、私はこう定義している
会社の給与と、自分名義のメディア収入を、AI耐性という一点だけで並べると違いがはっきりします。どちらが良いという話ではなく、性質が違うので両方持つと崩れにくいという整理です。
| 観点 | 会社の給与 | 自分名義のメディア収入 |
|---|---|---|
| 仕事の内容を決める人 | 会社(配置転換・部署の廃止を含む) | 自分 |
| AIで作業が自動化されたとき | 人員が要らなくなる方向に働く | 自分の作業時間が空く方向に働く |
| 積み上げた成果の帰属 | 会社に残る | 自分のドメインに残る |
| 立ち上げの重さ | 軽い(採用されれば翌月から収入) | 重い(月0円の期間を自分で越える必要がある) |
| 止まったときの痛み | 生活が直撃する | 生活の直撃を1段やわらげる役になる |
私がアダルトアフィリエイトをこの「第2本柱」に選んだ理由は、ジャンルが刺激的だからではありません。需要が景気に左右されにくく、個人が自分の名義で運営できて、判断の部分が外注もAIも代替しにくいという3点が同時に成り立つ数少ない領域だったからです。副業としての向き不向き全体の話はアダルトアフィリエイトで実際いくら稼げるのかをまとめた記事のほうが詳しいので、収益の額そのものが気になる方はそちらを読んでください。
14年やってわかった「数字を自分で持つこと」が最大の防具になる
AI時代の備えとして一番効いたのは、スキルの数を増やすことではなく、自分の媒体の実測値を握っていることでした。私の主力ジャンルでいうと、クリックから購入までのコンバージョン率はおおむね2〜3%、1成約あたりの平均報酬は300〜500円です。
この2つの数字を持っていると、AIが書いた文章が使えるかどうかを感想ではなく結果で判定できます。差し替えて数字が落ちたら戻す、上がったら残す。それだけです。逆に自分の数字を持っていない人は、AIの出力を評価する基準がないので、出来のいい文章っぽいものをそのまま置き続けることになります。ここが、AIを使える人と使われる人の分かれ目だと私は思っています。
収益の規模感としては、同じやり方でも月0円の人から月100万円を超える人まで幅が出ます。私の体感では、始めたばかりの段階で月1〜5万円、続いた人が月10〜50万円、上に抜けた人が月50万円〜100万円超という分布です。ただしこの数字は誰にでも出るものではありませんし、短期で出るものでもありません。立ち上がりにどれくらいかかるかはアダアフィで成果が出るまでの期間を実数で書いた記事に分けて書いてあります。
AIを入れて、私の作業の中身はこう変わった
誤解されやすいのですが、AIを入れて楽になったという感覚はありません。作業の重心が「書く」から「検証する」に移っただけです。
| 作業の重心 | AIを入れる前 | 入れた後 |
|---|---|---|
| 文章を形にする | 一日の大半 | 素案はAI、仕上げと事実確認は自分 |
| 数字を見る | 週に数回 | 差し替えのたびに確認(中心作業に昇格) |
| 賭け先を決める | 自分 | 自分(変化なし) |
| 法令・表記の確認 | 自分 | 自分(AIの出力が増えたぶん、むしろ増えた) |
空いた時間を「記事数をさらに増やす」に使った時期と、「既存記事の数字を見て直す」に使った時期では、後者のほうが明確に成果が出ました。AIで量を増やせるようになったからこそ、量を増やさない判断に価値が出た、というのが正直な実感です。ここも正解が一つに決まらない作業なので、たぶん最後まで自分の持ち場として残ります。
「AIに強い職業へ転職する」という備え方を、私は勧めない
AI失業の対策として一番よく挙がるのは、リスキリングと転職です。否定はしませんが、備えとしては同じ問題が追いかけてくる構造になっています。理由は3つあります。
- 移った先の職種も作業の型の集合体である。いま「AIに強い」と言われている職種の中にも、入力が定型で正解が一つの作業は必ず混ざっています。数年後に同じ判定を受けます。
- 決定権の持ち主が変わらない。転職しても、仕事の内容を決めるのは会社です。部署が消える判断を自分で止めることはできません。
- 積んだスキルの成果が自分に残らない。会社の中で使うスキルは、会社の実績として積まれます。自分の名義には何も残りません。
だから私は、学び直すなら自分の名義の媒体の上で学ぶほうを勧めています。実務として身につくスキルの中身についてはアダアフィ運営で身につくスキルと転用先をまとめた記事に分けて書きました。転職と並べて検討している方はそちらも見てください。
AI失業より先に、現実にはこの4つが来る(14年で実際に起きたこと)
ここは一般論ではなく、私が14年のあいだに実際に食らった順に書きます。「AIに仕事を奪われる」よりはるかに高い頻度で起きるのは、次の4つです。
- 案件・ASPの突然終了や条件変更。報酬率や成果条件は告知だけで変わります。収入が1社に集中していると、ここで一気に削られます。
- SNSアカウントの凍結。X(旧Twitter)に集客を寄せていると、凍結した日に流入が消えます。検索からの流入を別に育てておく必要があります。
- 規約・法令の壁。年齢確認や18禁表記、公式素材以外の無断転載の禁止、景品表示法の誇大広告の禁止。ここは知らなかったで済まない部分です。
- 無料ブログがアダルトジャンルを禁止していること。土台を借りている状態は、規約が変わった瞬間に全部消えます。独自ドメインとアダルト可のサーバーを自分で押さえておくのが前提になります。
AI失業に備えるという話をするなら、まずこの4つに耐える形を作るほうが先です。AIに置き換わる前に、媒体を借り物にしていたせいで消えるほうが、現実にはずっと多い。
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この領域が「作業の型」の判定で生き残りやすい、需要側の理由
ここまでは私の作業の話でしたが、収入の置き場を選ぶときは需要側の構造も見ないと判断を誤ります。私がこの領域を14年続けられた理由を、需要側から4つに整理します。
- 好みが極端に細分化していて、正解が一つに決まらない。「どれが良いか」は人によって違うので、平均的に正しい文章を量産する方向と相性が悪い領域です。先ほどの3条件でいえば、ここは最初から×が付きます。
- 読者が人に相談しにくいジャンルである。だから検索で解決しようとする人が一定数いて、実際に使った人の記述に価値が残ります。
- 大手が正面から参入しにくい。広告規制とブランドリスクがあるため、資本で殴られる展開になりにくく、個人が残れる余地があります。
- 在庫も仕入れも持たずに始められる。FANZA(DMM)のアフィリエイトは登録そのものが無料で、報酬は成果が出てから発生する形です。最低支払額は5,000円、締めは月末で支払いは翌月末、振込手数料はかかりません。つまり外したときの損失が「かけた時間」だけで済む構造になっています。
この4つ目が、備えとして重要だと思っています。AI失業に備えるために借金をして何かを仕入れるのは、備えではなくリスクの上乗せです。失敗したときに失うのが時間だけで済むかどうかを、私は選定基準にしてきました。
それでも、この備え方が向かない人はいる
公平に書いておきます。14年のあいだに相談を受けてきて、次のどれかに当てはまる方には私は勧めていません。
- 数か月以内に収入が必要な方。立ち上がりに時間がかかる性質なので、緊急の資金手当てには向きません。この場合はまず別の手段を確保してください。
- ジャンル自体に抵抗がある方。続けられないものを選ぶと、どんな構造的な利点も意味を持ちません。
- 規約や法令の確認を面倒だと感じる方。ここは手を抜くと、AI失業よりはるかに早く退場します。
- 自分の数字を見るのが苦手な方。上で書いたとおり、数字を持っていないとAIの出力を判定できず、この領域の強みが消えます。
これから備える人が、最初に決めるべき3つのこと
- 在職中に始めるかどうかを決める。収入が途切れてから立ち上げると、成果が出る前に生活が先に削れます。順番としては、給与がある状態で第2本柱を作るほうが明確に有利です。
- 自分の土地を先に押さえる。独自ドメインと、アダルトジャンルを許可しているサーバー。これを借り物にしないことが、上の4リスクの大半を無効化します。
- 1日の作業時間の上限を決める。私は「上限」を決めるほうが続くと考えています。無制限にやると数か月で燃え尽き、結果として一番コストの高い失敗になります。
よくある質問
AIが記事を量産する時代に、個人のサイトに勝ち目はありますか?
「誰でも書ける一般論」で勝つのは年々難しくなっています。一方で、自分の媒体の実測値や、実際に起きたトラブルの記録は、AIにも他人にも書けません。勝ち目があるのは後者に寄せた場合だけだと考えています。
AI失業が実際に来てから始めても間に合いますか?
私の経験では、収入の第2本柱は「必要になってから」では立ち上がりません。最初のわずかな報酬が出るまでにも数か月、生活の足しになる水準まではさらに時間がかかります。詳しい期間の話は上でリンクした記事に分けてあります。だからこそ、在職中かどうかが分かれ目になります。
AIに全部書かせて、あとは放置できますか?
できません。上の表のとおり、賭け先の決定・案件の切り替え・法令面の最終確認は手を離すと壊れます。作業は渡せますが、判断は渡せないというのが14年やった実感です。
これをやれば必ず稼げますか?
いいえ。月0円で終わる人も実際にいます。私が言えるのは「AIに置き換わりにくい性質の収入である」ことと、「立ち上げに時間がかかる」ことの両方です。必ず稼げると書いている情報源は、その一点で疑っていいと思います。
まとめ
- AIに置き換わるかは職種ではなく作業の型(入力が定型・正解が一つ・やり直しが安い)で決まる
- 私の手元で残ったのは文章力ではなく自分の数字をもとに決める力だった
- 実測値(CVR2〜3%・1成約300〜500円)を自分で握っていることが、AIの出力を判定する唯一の基準になる
- AI失業より先に来るのは、案件終了・アカウント凍結・規約と法令・借り物の媒体という4つのリスク
- 備えるなら在職中に、自分の土地の上で、時間の上限を決めて始めるのが現実的
AI失業を怖がる必要はないと言うつもりはありません。ただ、怖さの正体は「AIが賢いこと」ではなく「自分の収入の決定権を自分が持っていないこと」です。そこを1本だけ自分側に戻しておく。14年やってきて、私がいちばん効いたと思っている備えはそれだけです。
何から始めるか、自分で作るか任せるか。14年・約800サイトの現場からお答えします(原則24時間以内に返信)。
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